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心も技も磨きましょ

 テーブルに並んだカトラリーやプレートは綺麗でしょ。 ワイングラスはどっちに置けばいい? 時間があったら真っ白な手袋して、シルバーを磨きましょ。 「坂田さーん、ルームサービスお願いします。この後は、レストランでモーニング、ランチはオーダーバイキング入ってください。」 インカムから、どんどん指示が飛んできます。 ルームサービスでお部屋に運んだプレートからソーセージが飛び出したの。 「お客様、大変失礼しました。すぐにお取替え致します。」 お客様に背中を見せてはいけません。 後手で扉を閉めてはいけません。 学生時代、茶室の心得を茶道の先生が教えてくれました。 朝の慌しいキッチンまで、お客様がいないところは急足です。 お客様に謝罪、シェフに謝罪。 今日のモーニングの予想人数は360名です。 よろしくお願いします。 バックヤードもバッシングも大忙し。 ウェイティングでの隙間時間に緩んだ気持ちが手足に現れる。 「坂田さん、足元、気をつけて。」 休憩時間には制服が汚れていないか、ヘアメイクに乱れはないか、仲間同士でチェック。 さぁ、ディナーも頑張りましょ。 開業に向かっての仲間達とのワークを思い出しています。 ひとりで過ごす時間、テーブルに飾られた花やオプジェが見えないのです。 好きなレディグレイが、喉の渇きを満たす為だけの飲料となっているのです。 お気に入りのエリザベスアーデンが、ムカムカする香となりつつあります。 人の心は、人の気持ちは、いつも同じではありません。 荒れ果てた戦地で、仲間と笑顔で過ごせる技を身に着けたようです。 人生での自分との戦争は、一生終わらないのでしょう。 その戦時中を、いかに前向きに活動するかを、年長者様が教えてくださいました。 お婆ちゃん、眠くないのですか? なんか美味しい物、食べたいな。 今夜のお夜食は何にしましょうかね。 今、何時? 夜中の2時ですよ。 美味しい物、食べたいな。 用意しますね。 今、何時? 夜中の2時ですよ。 嫌なことはすぐに忘れるといいのよね、お母さん。 お婆ちゃん、おやすみなさい。 執筆者:坂田琴絵

グリーフケア

腓骨骨折した母が、余命3ヶ月と宣告されました。 母は予期せぬ宣告に、不安な気持ちを目一杯私にぶつけてきました。 この日から死と向き合う事になりました。 「琴絵ちゃん、お母さん死にたくない、恐い。」と嘆き悲しみました。 不安な様子を見ていると、私までも不安な気持ちに駆られてしまいました。 大分の実家での母の看病と父の生活支援、東京に残した家族の事、離職しなければならない事、どれも気掛かりで心身共に滅入ってしまいそうでした。 そんな時、母のメンタルフォローをして下さっていた主治医の先生が、心の支えとなって下さいました。 自分が選んだ職業が、死と向き合う職業であり、グリーフケア(悲しみから回復する為の支援)は、当然な支援だと寄り添ってきました。 けれど自分の身内の事となると、全く平静を保つ事が出来なかったのです。 抑えきれない不安や悲しみの感情が、滝の様な涙となり、それまで当たり前に出来た事も困難となりました。 家族が死を迎える事、家族と離別する事、職場から離れ失職する事、重なり合った喪失感を長い年月引き摺る事となりました。 ご縁があって今、京都でグリーフケアを取り入れた介護の仕事をしています。 死と向き合う時、本人がどう死を迎えたいかは本人が決めることで、その方の寿命を第三者が決めるものではないと感じています。 母は余命3ヶ月と宣告されて、検査や手術を繰り返し5年間延命しました。 それは、母が死にたくない、生きたい、治療をすると自分で決めたからです。 諦めたら検査も必要な治療もできずに、寿命が縮まったかもしれません。 余命宣告された時の母は、不安でいっぱいでしたが、治療する病床で支援者の皆様方に支えて頂き、不安や悲しみがどこかに行ってしまった様な穏やかな時間を過ごしていました。 グリーフケアって、そんな感じだったなと回想しています。 執筆者:坂田琴絵

助けたい

交通事故 腎損傷 開腹オペするから機械出ししてくれるか えっ、はじめてなんだけど ドキドキ わかりました お願いします 藤井くん頼むよ メス、コッヘル、電メス、尖刃刀、開創器 、、、、、、、、、、、、、、、 深いな 腎臓見えたぞ メッツェン 後腹膜から剥離するか 藤井君、長鑷子ちょうだい 次、ツッペルつけて あっ、 吸引 急いで 先生、血圧50台です 輸液全開にして 出血量いくら? 400です MAP手配して 腎動脈の損傷やな あ…摘出するか ブルドッグ出して VF 除細動器チャージ 看護師さん、僕、医者になろうと思います 執筆者:坂田琴絵

ぼくのはなしをきいて

おとうさんがおおきなこえでぼくのことをおこった おとうさんがぼくのことをこわがらせた おとうさんがぼくのことをおおきなてでたたいた おとうさんがぼくのことをおおきなあしでふみつけた おとうさんがぼくのからだをゆかになげつけた おとさんがぼくのことをあついおゆにつけた おとさんがぼくのことをゆきのふってるひにはだしでそとにだしていえにいれてくれなかった ぼくはただおとうさんとあそびたかっただけなんだよ おとうさんはおかあさんにもおなじことしていた すこしおおきくなったぼくはけいむしょにいるおとうさんにおてがみをかけるようになった おとうさんからおてがみがとどいた おとうさんがぼくのはなしをきいてくれるようになった じょじょより 執筆者:坂田琴絵

人材ロス

 増上慢が故にそう振る舞わなければならないのでしょうか? 何がそうさせているのでしょう。 クライアントは、あなたの助けを求めてはいないのです。 クライアントは、あなたからのサービスを望んではいないのです。 クライアントが必要としている、ニーズに沿った振る舞いが出来た時、その必要性を理解することが出来るものです。 手を差しのべ、手助けをするその手が汚れていては、クライアントはその手を離さざるを得ません。 不平不満小言ばかり思っていれば、無意識のうちに態度や表情に現れてしまいがちです。 身も心も清潔な方が、クライアントは安心なのです。 執筆者:坂田琴絵

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 人は、独りではシェア出来ない。 共有したり、共用したり、分かち合ったりすれば、その良さがわかる。 あぁ、今日も仕事で疲れた。 ごはん作るのしんどいな。 そんな時、王将の職人さん達が、我が家の食事の用意をしてくれた。 京都でも府中でも、王将に助けられた。 ママはお酒を飲みますから、パパが運転をします。 ママはお酒でお腹が一杯になるから、そんなに食べれないな。 だけど、あれとこれと食べたいな。 華ちゃん、チャーハン少しちょうだい。 のんちゃん、ママと油淋鶏わけっこしない? パパ、これ食べれないから残りは食べてくれる? なんて、昨日の事の様だわ。 向き合ったテーブルは、お一人様席で、食べたくても1人じゃ食べれないのよね。 この思いを誰にどう伝えればいい? 思いはいつもブログに残す。 これも現実と真実であります。 外は真夏の炎天下。 駐車場でガードマンの男性がお仕事してます。 熱中症にならなきゃ良いけど、、、。 執筆者:坂田琴絵

流れる体液と赤い痕跡

 真っ赤な色は止めて、、、 真っ赤な色は緊急事態を連想するから、自然と避けていたのでしょう。 パステルカラーが安心です。 「藤井くん、焦らず慌てず落ち着いて、手は早くね。」 先生、焦らないでください。 先生、私に当たらないでください。 「藤井くん、ガーゼカウントいくら?」 「380です。」 「洗浄しようか。チップに生食吸って、膿盆と吸引管ちょうだい。」 そんな先生とのオペは、やり甲斐がありました。 疲れたって思うより、ひとりのクライアントの命を救う事が出来て嬉しかったし、チームで働く仲間に支えられて幸福感を得られたから、子育てしながらも頑張れたんだろう。 開腹もマイクロも骨頭も開頭も、真っ赤な色が物語る。 傷ついたクライアントが、抑えきれない感情と向き合った時、心と体から真っ赤な体液が流れました。 先生、どうやったら、止血出来ますか? モノポーラもバイポーラもハーモニックもアビテンもボルヒールも、全く効果がないみたい、、、。 執筆者:坂田琴絵