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時が流れても痛むキズ

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監禁拘束部屋(正式名称は隔離室だが、本人はあえてそう呼んでいる。)に収容された日から今日で2年になる。 3ヶ月の期間、フラッシュバック=心の傷と戦いながら苦しんだ日々が、更に深いPTSD=心的外傷後ストレス障害となってしまった。 当時、自分がまたナースに復職するだなんて思ってもみなかった。 ただ、繰り返される不祥事をどうやったら食い止めることが出来るのか、退院したらどうやって生きていこうかと、そればかりを考えていた。 女性専用のシェアルーム(正式名称は精神科病棟大部屋)で過ごす私は、精神科に入院している患者であった。 同室の患者さまと交わす会話は精神病の話ばかりで、 「何で入院したん?病名なに?」と、よく聞かれた。 この質問に答えられず、なぜ自分が精神科病棟の患者になっているのか不思議でならなかった。 精神病や精神障害などの患者さまと過ごす時間の中で、"自分は患者になろう、患者なんだ"と言い聞かせた。 「夫婦喧嘩をして、家族が心配して入院してるの。病名は、心理テストした結果で解るみたい。」 自分の身の上に起きている事実をこれ以上、他人様に話す事など出来なかった。 入院して5日目 午前中、医療保護入院に同意した夫と、中学校を卒業したばかりの娘が面会に来てくれた。 不自由すぎる入院生活に、必要な品を補充に来ただけの家族を遠目で見ながら、夫と築いた暖かい家族はもうなくなってしまったんだと、生まれてはじめての感情を抱いた。 手帳に描かれた日記の中に当時の思いが残されている。 ページを開きめくる事さえためらっていた自分が、曝露療法でここまで克服出来たのだと、関係者の皆様に感謝している。