感染予防とメンタル維持
「こんなに長生きしなくてもいいのに。」 「早くお迎えが来ないかな。」 「迷惑ばかりかけて、もう嫌になっちゃう。」 大正昭和平成令和と時が流れ、心に傷を負ったままその時代をご活躍された年長者様は、激動とも言える時代を前向きに歩いて来られたのだと思う。 半世紀以上が過ぎ、もうとっくに忘れてもいいだろうに、忘れる事が出来ない記憶。 終末期こそ、平穏でありたいからそうあって欲しいと願ったから、今の自分になったんだよなとひとりで呟く。 「今は何でもあるね。昔(戦争時代)は食べる物がなかったから、いつもお腹を空かせていた。」 「戦争の時にさつまいものツルをよく食べた、大豆ばかり食べて嫌になった。」 「怖かったよ、黒人さんが入って来た時は。」 「父が戦争に行っていなかったから、子供達を守る為にお母さんは必死だったんだよ。みんなが寝てから、お母さんが泣いているところを見て辛かった。」 「空襲で家が焼けて何もかもなくなった。」 「戦争に行って父は帰って来なかった。」 「戦争が原因で母は亡くなった。」 「戦争でお金がなくて養子に行って寂しい思いをした。」 身体の不調を伺う時に、ごく当たり前に語られるストーリーは、その方の心の傷なんだ。 これらの記憶が、心的外傷から来る何らかの不調になるのかもしれない。 そこから来るであろうあやふやな症状は、検査して何らかの診断をつけても、手術や薬で完全に治す事は出来ない。 主要な症状を軽減する為の対症療法で、寄り添って向き合って、起きて辛かった記憶を共感し、ご活躍された時の記憶を振り返り労う。 自然治癒力を高めて、今を平穏に過ごして下されば私も嬉しい。 ただそれだけの思いで看取りケアのセラピストの道を志した。 〇〇さん、「お迎えは、順番待ちです。まだまだ時間がかかる様ですから、これから一緒にお散歩に行きませんか?庭に梅の花が綺麗に咲いていますよ。」 母にも同じ様な事を言って外出アクティビティとし、お花見に連れ出した。 桜の花や菜の花が綺麗に咲いていて、今でもその記憶が鮮明に残っている。 看取り看護(介護)をする時、私はとてもエネルギーがいると感じている。 だからこそ、自分が心身共に元気でなければ、寄り添って真心を持ってお手伝いなんて出来ないとも実感している。 流行り風邪をひいたり、ストレスや疲労から憂鬱になったりすると、おもてなしやまごころお手伝いは、...