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邪念と上手く付き合う

 邪念を抱いたり… 邪念について考えたり… 邪念を忘れたり… 邪念は、私にとって体調不良を引き起こす余計な考えと認識している。 思考がまとまらなかったり、身体が緊張状態だったり、そんな時間が長く続くことは避けたい。 生まれ育った環境の中で、空や大地や海を見て、嫌なこと辛いこと悲しいことなどのマイナスの感情と向き合った。 綺麗な空と星、波の音、小鳥や虫の声、可愛い草花が、子供の私の邪念を良いモノに変えてくれたのだろう。 今夜は、白檀の香りと般若心経を聞きながら、心を整える。 明日を笑顔で迎えるために…

あのね、今日ね

 仕事が終わって帰宅して玄関を開けたら たいちゃん、さくちゃんって呼ぶの だけど、さくらはいない たいがは、おじいちゃんにゃんこになって ママのベットで寝てることが多い 子供が小さい頃は仕事であった 嬉しかったことや楽しかったこと 感動したことを話した 夫が帰宅すれば ちょっとほろ酔いな気分でお疲れさま 「今日は仕事どうだった?」なんて 畑違いの世間話が楽しかったな 今夜は、お一人様ディナー (リメイクひとりめしとも言う)で お蕎麦とワインをいただきながら… あのね、今日ね お薬のダブルチェックで 錠剤に書かれたアルファベットや数字が 見えない? 一緒に働いているナースが ルーペを用意してくれたの 子供の頃に視力のことで嫌な思いもしたけど 今、気遣ってくれる仲間が側にいてくれて とっても嬉しかったんだ それとね、、、、 頬にあたたかな雫がつたっている

どんぐりの木

大手術を乗り越え、リハビリを頑張り、在宅介護の生活が始まった。 縁側から広大な野原が見える部屋に、母の介護用品を揃えた。 「お母さん、あのどんぐりの木、大きくなったね。」 「永遠と散歩で見つけて、草刈りで切られるところ、頼んで残してもらったんよ。」 実家の縁側から見える原っぱの中央に、たった1本のどんぐりの木がある。 そこが私の自慢の故郷である。 どんぐりの木は、そんなに珍しいものではないが、草の背丈と同じくらいから成長を見て来ていると、帰省する度に子供の成長の様に嬉しく、見る度に写真に収めた。 広い原っぱで、永遠と散歩をした。 四季折々の野花も咲き、嬉しくてこれもまた写真に残したり、一輪挿しや押し花にした。 草がどんどん成長するのを見て、ここで山羊を飼えば草刈りをしなくてもいいのかなぁ… 牧場の広場にして、お店作って、民泊が出来るようにしたら、関東や関西からお客様が来てくれるかなぁ…。 だったら、体験学習はやっぱり国際交流かな✨ なんて考えていると、これもまた楽しくなった。 「お母さん、今夜は何が食べたい?明日は、ディサービスがあるよ。」 「かのんが好きな物でいいわ。お父さんは、何だっていいんじゃ。」 看取り介護生活は辛かったけど、母とのたわいもない会話や、恵まれた環境の中で、自分のやりたい事をイメージしていると、楽しくも嬉しくも元気で過ごせた。 今夜は、いいちこにするかな…

人生のレシピ

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  「ことえちゃん手伝って〜」 キャンパスノートに書き綴る鉛筆を置き、階段を降りた。 「何してたの?」 「ん?小説 … 」 「お母さん忙しいから手伝って。」 子供の頃から物語りや詩を描く事が好きで、随筆クラブで活動する事もあった。 ユーモアのある国語の先生から指導を受ける時間は、心地良く楽しかった。 「琴絵さん、文章はダラダラ長く書けばいいってもんじゃない。伝えたい事を簡潔に、起承転結で書いてみて。」 自分が書いた詩や標語、小説が表彰されたり、新聞に載ったりすれば励みにもなった。 いつか自分が描いたストーリーが映画になればいいなと時間があればメモに残した。 その瞬間の出来事や感情は、時間と共に消え薄れる。 良い事も悪い事も嬉しい事も恥ずかしい事も何もかも事実を記録に残した。 嫌な記憶はプラスになる様にストーリーを変えた。 園児の頃からメガネをかけての生活で、男の子にメガネザルと言われ馬鹿にされた。 子供ながらに、そんな嫌なことを言う仲間のそばにいたくなくて、ひとり遊びをする様になった。 「メガネザル、メガネザルが来た、ギョロ目、ケント・デリカットや。」そんな言葉は、思春期に入ってもトラウマとなっていた。 字が見えにくくて、勉強に集中出来ないのに、メガネが嫌でメガネを掛けずに学校へ行った。 克服する為に、手伝いをして小遣いを貯めて、コンタクトレンズを買った。 大人になれば、 " 目が大きく見える方がいいじゃん " と考える様になった。 TPOに合わせて眼鏡を作りファッションのひとつに取り入れた。 今では、メガネはお気に入りのアクセサリー ♡ 優秀な姉と比較され、周りの大人からは常々低い評価をされながら育った。 そんな環境にいる自分が嫌で、ダメ出しされる度に、ポジティブフィードバックを自分自身に繰り返し伝えた。 誰かに指示をされる訳でもなく、自分で選んだ道は、決して楽でも贅沢でもないかもしれない。 そんなとき母はいつも褒めてくれた。 琴絵ちゃんはがんばってる、お母さん嬉しいと。 母の応援してくれた時を思い返し、穏やかな良い環境は付いて回っていると常々思っている。 意識して、安全安心な環境を選んでいれば、自然と幸福な時間へと繋がるのだと実感している。 生まれ育った環境や選んだ道で、今の自分という人格が出来上がったのだろう。 子供の頃に居心地の良い仲間と...

自然と笑顔になる瞬間

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「桜の花が満開ですよ。」 ご自身で、思う様に体を動かせない方々に寄り添う時、私に思いを伝えて下さる患者様がいた。 「貴女は難しい仕事をしているね。」 「え?」 「だって、自分で痰を出す事が出来ない僕を助けてくれるんだもの。ほっといたら死んでしまうだろう、だから偉いよ。 他にも僕みたいな患者さんがいるんだろう。そんな患者さんも見てるだなんて、本当に立派だよ。」 偉いと思った事はありませんが、仕事が出来る様に努力はしています。〇〇さんが、笑顔で過ごして下されば嬉しいのです。 患者様の体に触れた時、 「あぁなんて冷たい手、温めてから来てよ。 看護師さんが痛くするんじゃないかと思って怖いんだよ。」 温めた手で脈に触れても、恐怖からその手が冷たく感じる。 痛くされるかもしれないと緊張した体は、硬く拘縮していく。 ご自身の思いを伝える事が出来ない患者様は、目を見開いてアイコンタクトを送って下さる。 苦しかったり、痛かったり、不安だったり… そんな思いをしてほしくない。 患者様が、クライアントが、携わる方々が、少しでも安楽な時間を過ごしていただければ、私も安楽である。 戦時中に生まれた両親は、辛い記憶の中、大人になった。 子供の頃、いつも側に居てくれた父や母が、笑ってくれた時が嬉しかった。 ターミナルケアで、辛い時間を過ごす母が、笑ってくれた時が嬉しかった。 母の安否を気遣い、私から母の容態を聞き安堵し、笑顔になった父の側にいる事が出来て嬉しかった。 お母さん、桜の花が綺麗に咲いたよ。 野花もたくさん咲いてるよ。

偶する者無用の長物となりけり

「やらかしてしまってね、指2本無くしましたよ。落とし前をつけましてね…」 飾り気のない中年の男性は温厚で、一緒に居て窮屈でも退屈する事もなく時が流れた。 「〇〇さん、とっても優しんですよね。」と若い女性の声。 「堅気の人間になろうとしたけど、思うように働けなくてね。」 温厚な男性の過去にどんなエピソードがあったかは知らない。 ここでゆっくり静養して、社会復帰してからのステップアップに繋がればいい。 植皮された体の一部はリハビリで自由に動かせる様になった。 心もリハビリで自由に動かせる様になる。 今度、登山に行きませんか … 温泉にゆっくり浸かるのもいいですね。 気の合う仲間同士が、和気あいあいと過ごす時間が、何よりの療法なんだと笑顔が絶えません。 落とし前をつけた彼は、幸福への道を選んだのです。

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