どんぐりの木

大手術を乗り越え、リハビリを頑張り、在宅介護の生活が始まった。

縁側から広大な野原が見える部屋に、母の介護用品を揃えた。

「お母さん、あのどんぐりの木、大きくなったね。」

「永遠と散歩で見つけて、草刈りで切られるところ、頼んで残してもらったんよ。」

実家の縁側から見える原っぱの中央に、たった1本のどんぐりの木がある。

そこが私の自慢の故郷である。

どんぐりの木は、そんなに珍しいものではないが、草の背丈と同じくらいから成長を見て来ていると、帰省する度に子供の成長の様に嬉しく、見る度に写真に収めた。

広い原っぱで、永遠と散歩をした。

四季折々の野花も咲き、嬉しくてこれもまた写真に残したり、一輪挿しや押し花にした。

草がどんどん成長するのを見て、ここで山羊を飼えば草刈りをしなくてもいいのかなぁ…

牧場の広場にして、お店作って、民泊が出来るようにしたら、関東や関西からお客様が来てくれるかなぁ…。

だったら、体験学習はやっぱり国際交流かな✨

なんて考えていると、これもまた楽しくなった。

「お母さん、今夜は何が食べたい?明日は、ディサービスがあるよ。」

「かのんが好きな物でいいわ。お父さんは、何だっていいんじゃ。」

看取り介護生活は辛かったけど、母とのたわいもない会話や、恵まれた環境の中で、自分のやりたい事をイメージしていると、楽しくも嬉しくも元気で過ごせた。

今夜は、いいちこにするかな…



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