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娘の入学式に行かせてください

 2019年4月4日 精神病院拘束生活19日目。 限られ与えられた自由をカルチャースクールだと思い過ごしている。 常時、辛くならぬようにポジティブな妄想は回復へと導いてくれた。 心理テストが終わった。 心理テストの質問外での項目には、「本人が望んだ受診入院ではありません。家族間の事で知られたくない事が沢山ありました。親族が情報公開し、関係者が心理テストまでして介入した事を拒否出来ず無念です。これも経験と感謝しています。」 夕方、主治医に娘の入学式があるので外出したいと申し出た。 主治医は家族からのヒアリングで「妄想チックなところがあるので、統合失調症と思っているんです。外出する為には薬を飲んでもらわなければ、何もせずに病院から出す訳にはいきません。心理テストの結果は2〜3週間かかるのでそんなに待っていられません。」と回答。 「納得いきません。では私は薬を飲まなければずっと退院出来ないのですか?私に決定権はないのですか?」 「そんな事はありません。退院は保護入院なので決められませんが、服薬に関しては同意です。治療は家族生活を円滑にする為でもあります。長女さんから聞いています。以前からいろいろとあった様ですね。入院してから今まで何も問題行動はありません。いっそうの事、暴れてくれたらいいんですけど、、、。二女さんの入学式には行ってもらいたいと思います。ただ家族同伴の元でなければ、病院へ帰って来なくなるかもしれませんから。ご主人さんの都合も聞いて調整したいと思います。」 家族からのヒアリングと家族療法で、退院は早くなりそう。 4月5日 入学式の外出前泊について、夫と電話で話したと。主治医から「外泊は受け入れられない。外出も病院に戻す自信がない為、積極的な外出は望まない。入学式当日、早朝出発の16時までに病院へ戻る事。守らなければ強制的に治療を行う。その際、点滴治療を行う。現在、逸脱行動がない為、強制的に治療は行っていない。これからの家庭での生活を考えると治療した方がいい。」と繰り返し説明される。 4月9日 入学式当日 22日ぶりに帰宅したマイホームは、自分のパーソナルスペースが異空間に思えた。居心地の悪さからそそくさとフォーマルに着替え出掛けた。 桜並木が綺麗な時期なんだ。 私、今まで何してたんだろう。 娘の大事な時期に、一体なぜこんな不自由な生活をしているんだろう...

寄り添う

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 ご一緒させてください。 側でお待ちしています。 不安な事があれば教えてください。 どんな時も、あなたの笑顔が見たいのです。

介護日誌⑥

 2014年1月14日火曜日 晴れ お父さん、今日は早起き。 父の為にじゃがいものお味噌汁を作る。 その後体調が優れず、午前中は横になって過ごした。 お昼ご飯はやせうまのだんご汁(大分の郷土料理)を作った。 午後から母の待つ病院へ行く。 オペ後1週間、外出許可が出て病院近くのファミリーマートまで車椅子でお散歩。久しぶりの外出に大喜びの母の様子を見ていると、午前中の気怠さや食欲不振も忘れていた。母と一緒にアイスクリームを食べた。 実家に帰宅し、永遠の散歩に出掛けた。 他県ナンバーの車が近づいてきて「この辺りに牧場ないですか?」と尋ねられた。 家の前は自然豊かな草原だが、ここは住宅地である。住宅地なので勿論そんな牧場なんてあるはずがないけど、この草原にヤギを飼えば牧場と言えるのだろうか。雑草をヤギが食べてくれたら、草刈りの手間がなくなるのにと考えていた。 野花や雑草が四季折々に楽しませてくれるこの草原が、私は大好きであった。 草原の中心には大きなどんぐりの木が凛と育ち、そのどんぐりの木を見るたびに、子供の頃にどんぐり拾いをした事を思い出していた。 またそんな懐かしい思い出を蘇らせてくれるきっかけとなったのは、母のひと声だった。 もともとニュータウンとして開拓されたエリアで、何もない場所にいろんな植物の種が飛んできて草原に育った。 散歩好きな母が、小さな小さなどんぐりの木を見つけて、草刈りの職員さんに狩らないでと頼んだ。何年も経つと立派などんぐりの木となった。なので、帰省する度にその成長が見れて嬉しかった。 永遠とのお散歩は、思い出に浸りながら心のリハビリとなった。 お夕飯は、ビーフシチューとフレッシュサラダにしたが、食欲がなく父にひとりで食べてもらった。 家族に会いたい・・・。

白檀の香り

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「 お母さん、やっぱりラムネがいい。」 娘が受験に向けてがんばっている姿を見ていると、おつかいも楽しい。 休息の場にお気に入りの香り。 華やかな香りに包まれた日常が送れるって、幸せだと感じる。 今夜は白檀の香り。 私のお香遊びは、華やかな音とともに私の身体が聞いている。 やっぱり、フジ子・ヘミングのピアノ曲が心地よい。 スケジュールの中に静養日を作る。 それがわたしのスタイル。 今度のお休みは、何をしようかな… 「のんちゃん、おかえり。ラムネ買ってきたよ。」

先生、教えてください

「ねえぇ、今度のランチどこにする?」 「スクールの帰りにメトロポリタン辺りでもいいよね。」 「サザンタワーで、和食がいいな。」 「やっぱり、ブリックスクエアにしよう。」 そんな時を経て・・・ 先生は、いつも私達の話しを真剣に聞いてくれた。 「先生は悩みがある時、誰に聞いてもらうんですか?」 仲間の質問に 「誰かに話しを聞いてもらいたくなったら、山に行くよ。」 この名言を鮮明に覚えています。 先生が教えてくれた教訓が、私を元気にしてくれています。 悩みやストレスがあったら、山に行ったり海に行ったりするって、何よりの療法なんですね、先生!

イメージトレーニング

天災や人災である災害、不幸をもたらす災難は、人の穏やかな日常を不穏にしてしまいます。 不平不満愚痴といった感情が次々と芽生えてきます。 それは誰しもが抱く感情であり、当たり前だと思っています。 だけど、そんな感情が長く続くと身体に不調を来します。 不穏な状況に立ち向かう前に、私が隙間時間でよく行っている事があります。 五感を意識して、好きな映像、好きな香り、好きな音、好きな味、触れるとほっとできるモノ。 ただ目を閉じて、心地よい状況をイメージしているだけなんです。 どんな戦場であれ、命があればその命が続く限り、ハッピーに過ごしたいものです。

ドラックロックの落とし穴

 心理テストが終わった。 精神病棟で過ごす私、作業療法で作る作品。 全てが診断の評価となる。 「薬物療法主体ではなくて、精神療法を中心にしていきましょう。」 医療保護入院中の身、法に定められた入院形態を維持しなければならない。 私は、フレンドリーな関係の患者さまに本当のことを話せずにいた。 女子部屋では、年齢も価値観も全く違う人達が共通の話題でトークが盛り上がった。 大抵は愚痴の聞き役が多かったが、これまでになかった世界で、まるで実習病院に来ているのかと錯覚を起こしそうだった。 山登りがお好きな患者さまが、よく私の精神面を気遣ってくださり、「ことちゃん、〇〇があるよ。」などと親切に声を掛けてくれた。 みんなで体操やアクティビティをしたり、セラピーしたり、グループワークしたり…。 家族から離れて、孤立していた私を救ってくれたのは、心理療法と患者さまだった。 「薬を飲まなければ退院させない。」と言ったのは誰? そんな嘘の様な本当の話しが、私の入院生活を長引かせた。 執筆者:坂田琴絵