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 何度も時計に目をやる。だから、見るとやる気になれる時計が好きだ。 個人情報がたくさん詰まったファイルを片手に、バイアル瓶が入ったトレイを重ね目的地へ。 挨拶を交わした拍子に、バランスを崩したトレイがバイアル瓶を床に転がしてしまった。 「あっ、大丈夫ですか?」 仕事の手をそのバイアル甁に伸ばし、私に笑顔で渡してくれた。 「ありがとうございます。わたし、おっちょこちょいナースですね・・・。」 私が新米ママナースの頃、当時の婦長さんが私の働く姿を見て、「あ〜さ〜く〜ら〜!せんぱ〜い。」でお馴染みのナースだと言いその場が和んでいたことを思い出す。 【ドラマ:ナースのお仕事】 キャリアの浅いオペナース時代、衛生材料や機材を床に落として上司によく叱られた。 当時は、引力を恨んだこともあったが全て自分の不注意である。 破棄するバイアル甁を床に落とすのとは訳が違い、滅菌された清潔な衛生材料や機材は床に落とすと使用できなくなる。また高価でデリケートな機材はすぐに破損してしまう。細心の注意を払っていても、数秒の気の緩みから起きてしまう事故がある。 多くの命と向き合いながら、ドキドキしながら業務に従事してきた。 自分が選んだ道の重みを感じている。 どんな時も、ひとりでは誰かを幸せにはできない。 1つの目標に向かって仲間達との絆があってこそ得られた学びなのだと、自分の描いた夢を誇りに思っている。 小学生の頃、幼なじみと交換日記を書いていた。 互いに"かんごふさんになろうね"と約束していた。 その幼なじみも現役ナースとして活躍している。 子供の頃に描いた自分像。 それが今の私だった。

壊れた急須

 「琴絵は、お茶飲みじゃのう」 煎茶を好む娘に父は良く言った。 仕事の日は、毎朝、目覚めに煎茶をいただく。 お気に入りの桜模様の急須が、今朝、割れてしまった。 夜になって壊れた急須を見て、この急須で入れたお茶で元気に日々を過ごせたことを思い出す。 物に溢れた現代社会だけど、世界にひとつしかない大切な物が、目の前にある。その物が壊れてしまい、手放さなければならない状況が起きた時、こんな気持ちになるのだと改めて事態を受け止めている。 明日は、どんな日になるのかなぁ…。

優しい眼差し

 挨拶を交わす活気ある表情を見て、今日も1日頑張ろうと思う。 はじまりは、日常の会話で心和ませ穏やかな時が流れる。 報告や連絡相談も真剣な眼差しで、前向きに行動ができる。 いつも「ありがとうございます。」 そう言って、感謝の気持ちを忘れない。 そんな、仲間が好きです。 目の前の大切な人を優しく見守る眼差しが、誰かを幸福に導いているのかもしれない。

スリーピングビューティー

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 冬の間、硬く小さな蕾だったハナミズキの花が、日に日に開花している光景を目にしています。 花びらは4枚。 だけど… いろんなカラーが集まると 華やかなイマジネーションに変わります。 空を見上げ、素敵な時間を過ごしたら、 きっと新しい道が開けるよ。 ※写真はインターネットから引用させていただきました。

笑顔

大きな声で、不穏な表情です。 「助けて〜。弱った、困った、どうしよう。」 車椅子にお座りの年長者様が言いました。  「どうされました?」 「動けない。あー弱った。どうしよう。困った。」 年長者様は、これまでご自身で出来ていたことが出来なくなり、途方に暮れているのです。 「〇〇さんは、これまで沢山ご活躍されてきました。今はお身体を労り、少しゆっくりとお過ごしください。お困りのことはお手伝いさせていただきます。」 「そうか。」 すると、パッと笑顔になるのです。 「兄弟仲良く親孝行。」 そう言って、何度も何度も私に教訓を教えて下さるのでした。

現実逃避

セーラー服を着る前に派閥にあった。 信頼していた仲間が仲違いを起こし、仲裁に入った事が原因である。 あっと言う間にグループができ、いつの日か私はクラスの女子グループから外された。 トイレの前で待ち伏せした女子グループの中心となる子は「帰りに話しがあるから体育館に来て。」と告げた。 怖かった。逃げたかった。帰りたかった。 数人の女子に囲まれて、恐怖で何を言われたのか覚えていない。 派閥はエスカレートした。 学校が嫌いになる。 勉強どころじゃない。 両親に話せる訳がない。 担任の先生に「お腹が痛いから保健室に行かせてください。」と訴える。 先生は冷たかった。 先生が嫌いになる。 過換気症候群で倒れた。 原因不明と言う曖昧な診断で入院した。 大人達は、不祥事を知りながらも知らんぷり。 無視し続けた女子がマスコットを作り、見舞いに来た。 嬉しかった。 だけど、心の傷は治らない。 仲間はずれやいじめは、いじめられる側にも問題があるのかもしれない。 だけど私は、何も恥じる生き方はしていない。 一人、独り、孤り。 ひとりで居る時間の方が幸せなこともある。 気ままに歩く道。 行きずりの人達がもたらしてくれる幸福。 「ありがとうございます。」 いつも助けてくださる方々へ、感謝の気持ちでいっぱいです。 パステルカラーのコートを脱ぎ、小鳥のさえずりやSLの汽笛を聞きながら、目の前にいる未来ある命を我が身に置き変えて。 シロツメグサ・イヌムギ・セイヨウタンポポ の上を元気に走り廻る子供達。 優しいママの母掛け。 気遣うパパ。 そんな穏やかな時があったんだ。 列車の車輪が線路を擦る音。 お弁当を囲む家族に近づく翼を大きく広げたトビ。 「あっ、お弁当が・・・。」 南東の風が、サトザクラやソメイヨシノの花びらを運び、緑色のじゅうたんはあっという間に薄桃色のステージとなった。

春爛漫

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「今日は、暖かいですよね。」 そんな会話をしている日常となりました。 暗い部屋に灯りをつけカーテンを開け、お弁当と朝食を作り、今日も誰かの為にお役に立てるなら、嬉しく思います。 お気に入りの本を鞄に入れ、行ってきます。 仕事が早く終われば、咲き誇る花を求め足取りも軽やかに。 太陽と北風の物語り 太陽は人の心を解放してくれます。 引きこもりなんて、もったいない。 みんな、出ておいで! 鴨川のつくしも元気に出てきています。 桜の塩漬けを浮かべた焼酎のお湯割りは ちょっぴり大人の味かしら?