母と子の夢
どんぐりの木が大きく育った。
母が、どんぐりの苗木を「切らんといて」と大切に見守った。
帰省する度に、どんぐりの木が大きく育っていった。
嬉しくて帰省する度に写真に残した。
どんぐりの木が育つ草原は、草花も四季折々に開花し、私の情緒を楽しませてくれた。
草が元気よく育てば、ここでペーターやハイジの世界の様に、山羊が飼えたらいいなと思った。
余命宣告された母が、自宅に帰る事ができて、縁側から三毛猫のさくらと草原を眺め、どんぐりの木の成長を喜んでいる光景が忘れられない。
介護帰省で、東京から一緒にフライトした愛猫の大我とさくらは、国東の母の側で過ごしている。
介護で家族が離れて生活しているけれど、介護を視野に入れて、故郷で家族と新しい生活が出来る様に、思案したり構想をした。
草原にやぎがいるって、現実離れしているかもしれないけど、日常にそんな光景があってもおかしくはないし、それをプランニングにすればいい。
思い描くアトリエは、将来の自分像である。
高台に建てられたマイホームからは、海の見える草原があって、広い草原に馬や山羊が優雅に過ごしている。
思い描いた画像に向かって歩けば、夢は叶うのだろうか・・・
執筆者:坂田琴絵
コメント
コメントを投稿