趣味が高じて

 ムーン・リヴァーの曲を聞いてると、楽しかった時の事を思い出します。

マントヴァーニさんのヒット曲で、フラットな感情が抑揚のある感情へと変わるのです。

人は皆、日常生活の中で、それぞれの事情から抑圧された時間を過ごしているものです。

その抑圧から解放されたら、自分でも気付かなかった緊張の解けたもうひとりの自分が表れるのではないでしょうか。

私、変わった趣味がありまして、携わった方々の緊張が解れ、その時を楽しく過ごしていただけたら嬉しくて。

職業柄、緊張状態だったり、苦痛だったり、悲しかったり、怒ったりする方にお会いします。

実は、そのような感情を目の当たりにすると、自身にもダメージがあるものです。

なので自分の身を守る意味もあり、ネガティブな感情をポジティブな感情へ変換するのです。

冒頭に述べた楽しかった曲は、簡単に言えばミュージックセラピー(音楽療法)です。

赤ちゃんから年長者の方まで、音楽が嫌いと仰る方に今のところお会いしたことはありません。

音楽の力は絶大で、胎児であればお母さんのお腹の中で胎動が増えますし、機嫌が優れないお子さんも、好きな曲や歌を聞けば気分がプラスに向くものです。

もちろん大人たちは音楽の良さを分かって、多くの音楽を聞いたり歌ったりしています。

終末期医療においては、余命を宣告された患者様が、自室に引きこもり活動量が低下する中、率先して音楽療法に参加される様になるのです。

活気に満ち溢れ喜ばれ、笑顔で死に向かった年長者様の事を一生忘れる事はありません。

厳しい先生達からの指導で、緊張状態で楽しくなさそうに授業を受けている生徒達がいました。

生徒達と輪になって、今流行の歌を一緒に歌いました。

みんな緊張が解けて楽しそう歌い、笑顔で次の活動に参加しました。

一緒に歌った時間は数分です。

短い時間であっても、その瞬間がプラスになれば、子供達の本来あるべき能力を発揮できる様になるのではないでしょうか。

子供も大人も緊張状態になるには、萎縮してしまう環境が原因なのですから、家庭環境や社会生活において、萎縮しなければならない様な環境は、作らない方が 良い成果が出ると思っています。

ただ優しいばかりではなく、飴と鞭も必要ですけどね。

 

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