手当て
余命宣告された母の体は痛々しい。
母は体のあちこちが痛いと言った。
母は体の一部がしびれていると言った。
母は体が痒いと言った。
だけど、その痛みもしびれも痒みも不自由な体ではどうすることもできない。
温めたり冷やしたりマッサージしたり・・・
「そうしてくれると楽になる」と喜んでくれた。
穏やかな時間の中で、母と一緒にお喋りしたり、クラッシックを聞いたり動画を観たり。
嗜好品を食べて過ごす時間も安定剤なんだと、側に用意した。
限られた時間、少しでも安楽な時間であって欲しいと願った。
クライアントが母に変わった時、セラピストの道を選んで良かったと思った。
関係者の皆様、私をサポートしてくださってありがとうございました。
いつも側にいてくださった、皆様の手当てのお陰です。
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