怒った先生と笑った先生

 「どうなってるの?早くしてよ。」

「先生、どうされました?」

「皆、僕の思う事をちっともやってくれない。」

「先生、今、一番お困りな事は何ですか?私にお手伝い出来る事はありますか?」

「仕事に間に合わない…家に帰りたい…」

思いは様々…


「藤井ナース、先生の介助に入れないです。」

「先生、そんなに怒らないでください。ここは先生がご活躍された現場(戦地)ではありませんよ。皆、先生を労って、少しでもお力に慣れればと思い、ただ側に居てお手伝いがしたいのですよ。」

叩かれたり、抓られたり、噛まれたり、パンチが飛んで来たり。

体験した記憶からの防衛本能も重なり、受け入れられないお手伝いも多くあるのです。

「先生、少し側に居させて下さい。」

クライアントが、今一番望んでいる事を理解出来れば、自然と穏やか時間が流れるものです。

「先生、私も讃美歌を歌ったら、嫌な事を忘れましたよ。今度、一緒に歌えるといいですね。」





 

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