カタルシス

 渡辺淳一さんの作品は共感できるところが多い。

エ・アロールの本に出会えたことは、私の人生を大きく変えたとも言える。

幾つになってもハッピーライフで過ごせたらなんて素敵なんだろう。

そして、そんなお手伝いができたら自分もhappy。

「先生、今度の音楽療法は何の曲にしますか?」

音楽の先生としてご活躍されてきたK先生は、新しい集団生活に戸惑いながら、これまで培われてきた居場所をお探しです。

もちろん、プライドはデリケートですから大切に大切にしています。

無くしたモノや忘れそうな記憶、出来ていた事の喜びと自信、更なる欲求。

様々な感情が重なり無意識に抑圧されたコンプレックスから、K先生は神経症症状を発症しそうです。

「皆んなが知っている合唱曲がいいです。」

「承知しました。では先生、伴奏お願いしてもよろしいですか。」

限られた時間と空間の中で、仲間が集い、参加者同士が主体的に歌い出せる環境。

コミュニケーションが弾み、コンプレックスから解放された時の年長者様の笑顔は、何よりの励みです。

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