介護日誌③
2014年1月11日 晴れ
母が腓骨骨折の手術をしてから4日目の朝を迎えた。外は冬空の晴天で寒さが身に染みる。
雑種犬の永遠は、ご機嫌に尻尾を振って私の顔を見ている。
「永遠、お散歩行こう。」
犬の飼育に慣れていない私は、自分が散歩させられているみたいだった。これから、そんな永遠が、私の良き聞き役となってくれるとは、思いもしなかった。
父と母との生活空間は、正直どんよりとしていて、居心地が悪かった。私が母の看病や父の見守りで実家を生活の拠点とするに当たり、まずはそのどんよりを無くしたかった。最愛の家族と離れて、この居心地の悪い空間で、自分のメンタルの維持をして行くことが不安であった。
石油ストーブで暖を取り、気になる家事をこなした。冷蔵庫の中を掃除し、洗濯槽の漂白をした。
父は、今日は外出しないとLEXUSのメンテナンスをしている。海外赴任中の弟の車を管理している。それから、母が大切に育てている庭の花や木に水を与えている。
2人で、夕べのすき焼きをうどんにして昼食とした。
「お父さん、買い物行ってくるから。」
「行っちょいで。」
エースに食材の買い出しに行く。
地元住民達が集いの場としていたD&Dは、本当に閉店している。新聞記事によると、国東地区では、ディスカウントストアの先駆け的存在で、2002年2月期には約13億6千万円を売り上げていたが、近年、大手ドラッグストアやホームセンターの進出などで競争が激化し、売り上げが落ち込んでいたとある。
買い物から帰宅すると、シンクに入ったままの食器を姉が片付けてくれていた。
姉と2人で母の待つ病院へ行く。
病床でTVを見ていた母は、今日と明日はリハビリがお休みだと話す。
手術の後の傷はフリーで、疼痛コントロールにモーラステープを貼っている。シーネ固定は1週間くらいとのこと。
相変わらず、母のトークは面白い。病床で少しICU症候群?とも思われたが、その場が和んでいたので良しとした。
実家に戻った私は、とり天や野菜やきのこの天ぷらを作った。
21時30分、父は動悸がすると私に訴える。右橈骨動脈をそっと触れ、「お父さん、どうもないよ。疲れてるから早く休んだら。」
父は、自室へ行き休んだ。
iPhoneから、娘たちに電話をした。
「お母さん、今日はお父さんとのんちゃんとモリタウンに行って、パパにピアス買ってもらった。それからイトーヨーカドーに行って、あらと鯖を買ったよ。美味しかった。」
「ママ、ピアノ30分レッスンしたよ。パパは、ママがいなくても元気そうだよ。」
「ママ、そっちはどう?。荷物、届いた?何か必要な物があったら送るから、、」
「明日もお休みだよね。子供達のこと、お願いね。じゃぁまた電話するね。おやすみ。」
話し出したら、話しは尽きない。
それから、マナウスの弟に報告のLINEをした。
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