いっしょにあそぼう
喃語から「いっしょにあそぶ。」と、意志を伝えることが出来る様になった諭吉。
ハイハイしてた諭吉は、踏み台を使って洗面台で手洗いをしている。
「諭吉くん、だぁれぇだ。」
「しらない。」
イヤイヤ期で、ストレスを抱えながらもひとりできちんと手洗いをしている諭吉が愛おしい。
「いっしょに、手を洗わせて。」
「ビチャビチャ。」
水道の蛇口から出る人肌の流水に手を伸ばし、何度も何度も小さな手を丹念に流している。この世に生を享けてから一年程で、小さな体と心で大きな大人を相手に上手に会話をしている。
「今日は、何して遊ぼうかな。」
「トーマスであそぶ。」
車のステーションに列車が走る。
私の知らない世界観を諭吉はいつも教えてくれる。
「せんせい、ねんどしよう。」
お姉ちゃんの華絵と、砂粘土でデコレーションを楽しむ。
諭吉が「いっしょにねんどする。」
いつもお姉ちゃんの行動を見て、同じ時間を過ごす。
「かーしーてー。」
「一緒に仲良く遊ぼうね。」
「せんせい、ハッピーバースデイ。」
華絵は、バースデイケーキを作っている。
「おしまいにする。」
「諭吉くん、絵本見ようか。何にしようかな。」
「華絵も見る。」
お膝に抱っこ。
「せんせい、もういっかいよんで。」
「ゆきちくんもだっこする。アンパンにする。」
「ゆりかごして〜。」
抱っこして、温もりを感じながら子守唄を歌ってゆらゆらしてると、養育者も穏やかな時間が過ごせるんですよ。