エンディングノート

集中治療室のベットで横たわったままの母は、人工呼吸器・Aライン・点滴・人工透析・排泄物ドレナージ等のチューブに繋がっている。心電図モニターの音が耳に残る。点滴の輸液で顔や体は別人のように浮腫んでいる。何度声を掛けようが体を触ろうが目覚めることはない。大手術で、疼痛コントロールのため薬で眠っている。本当に目が覚めるんだろうか。そんなことを考えながらの病院からの帰り、母の心臓が停まったと担当者から連絡があった。手厚い医療体制があり、母の命は永らえた。
20日間程眠り続けている母の姿を見ながら、自身の置かれた環境にも多くの臨終があったことを振り返る。
楽しいデートの真っ最中にバイクの交通事故で亡くした若い命・事故で無くした体の一部そしてショック死・自ら命を絶つ者たち・事件に巻き込まれ命を落した人。病気と闘いながら苦しんで亡くなっていく人。家族に愛され、呼吸が停まるその時まで家族と過ごした年長者。数知れず・・・
人の臨終にはみなそれぞれの思いがある。どんな臨終であれ、助けたい気持ちは同じである。
母の死を告知されてから、エンディングノートの作成を始めた。
手術前には母自身にコメント書きをしてもらったり、看護学生さんにヒアリングしてもらったりと、死に向かう準備をしたのである。

何度も支えとなってくれた本:死ぬまでにする10のこと
「死ぬときに後悔すること25/大津秀一医師」


2014.4.16 故郷にて

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